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【KEY NOTE】
Valued Media Managementという考え方~消費者/顧客にとっても企業にとっても価値あるメディアへ~

複雑多岐にわたるメディア運営の中で忘れ去られていることはないか
Valued Media Managementがその気づきとなる


2008年7月、日本でiPhone3Gが発売された。それをきっかけに、スマートフォンが普及し、SNS等の利用も活発になった。改めて言うまでもなく、情報技術の発展により、消費者/顧客を取り巻く情報環境が大きく変わり、様々な情報チャネルが使われるようになっている。企業側からすると、様々な情報チャネルを使って消費者/顧客にリーチできるようになったとも言えるが、自社だけがその多様な情報チャネルを獲得したわけではない。溢れかえる情報の中で、消費者/顧客から選ばれる情報コンテンツや情報メディアを提供しなければ見向きもされない、そういうマーケティング環境に企業は晒されている。

このようなマーケティング環境の下、Paid Media(買うメディア)、Owned Media(所有するメディア)、Earned Media(評判等を得るメディア)の3つを統合的・連動的に運営することの重要性が謳われている。これは、確かにそのとおりだが、企業側の論理で、3つのメディアを連動させて運営することに主眼が置かれ、それが目的化しているケースを目にすることがある。消費者/顧客は後からついてくるとでも言わんばかりに、消費者/顧客のことなどは後回しに、マーケティング・ソリューションの導入を進めるような取り組みもある。我々が用いているValued Media Managementという言葉は、こうした取り組みを案じ、もう一度、メディア運営の本来の目的に立ち返り、手段としてのメディア運営として見つめ直すことを示唆している。

先述したとおり、企業は、消費者/顧客から選ばれる情報コンテンツや情報メディアを提供しなければならない。これは、消費者/顧客から見た場合の「見る/使う価値があるメディア」を目指すということである。一方、企業から見ると、「運営する価値があるメディア」であらねばならない。Valued Media Managementは、この双方の価値を実現するメディア運営である。当たり前のことのようだが、昨今のマーケティングの潮流に流されている多くの企業では、このことが忘れ去られている。

マーケティング・テクノロジーやデジタル・マーケティングとしては、ネット広告の「枠から人へ」が標榜されているDSP/RTB、サードパーティーデータの活用も含むDMP、あるいはソーシャルメディア上の情報活用を図るクチコミ分析ツール等が注目を集めがちである。すなわち、先ほどの3つのメディアのうち、Paid MediaとEarned Mediaへの関心の偏重が伺える。しかし、企業と消費者/顧客の双方にとって価値があるメディア運営を実現するためには、Owned Mediaの重要性を改めて認識し、Owned Mediaを軸としたメディア運営を指向すべきである。

Owned Mediaには、コーポレートサイト、ECサイト、自社店舗、コンタクトセンター等、自社が直接的に所有・運営する様々なチャネルが含まれる。こうしたメディアの価値を高めずして、Paid MediaやEarned Mediaに投資することは、合理性を欠くと言わざるを得ない。まずは、足元のOwned Mediaの価値を高め、それを軸にPaid MediaやEarned Mediaとの統合的・連動的な価値向上を図る。それこそが消費者/顧客から選ばれるメディ アへの常道であり、企業にとっても意味のあるメディア運営Valued Media Managementである。

最近では、消費者/顧客を導き入れるという意味合いでInbound Marketingといった考え方もあるが、これもOwned Mediaを軸としたValued Media Managementと言えるだろう。

Owned Mediaが持つ有効性や可能性を十分に引き出しているか。その問いから始めるべきではなかろうか。


【FOCUS PROJECT】
鉄道会社様コンタクトセンターに問い合わせ削減ソリューションを提案、様々な分析結果から課題解決と顧客満足度向上を目指す!

どのようなカテゴリの問い合わせが、どの程度削減できそうなのか?継続的に削減していくためには何が必要なのか?現状把握から始まり、数か月の調査・分析を経て「最良の解決法」を追求する。


企業にとってコンタクトセンターへの問い合わせが増え、オペレーターの対応時間とコストが増えることは決して望ましいことではない。コールリーズンを追究し、適切に解消することによって、結果的に放棄呼率が下がり、業務効率化と顧客満足度向上に繋がるのではないか????そのような考え方から生れたのが「問い合わせ削減ソリューション」だ。本ソリューションは、我々のアウトプットによって、導入企業様自身が、どのくらいの顧客にアプローチでき、どのくらいのコール数削減が可能か、継続的に続けた場合、どの程度のコスト削減が可能かという見通しを持てることが重要だ。

  直近では、以前、当社がコンタクトセンター評価サービスを提供した鉄道会社A様が興味を持たれ、トライアルで数か月間の現状把握・分析を実施した。

具体的に実施したのは①恒常的に多い問い合わせカテゴリを把握、例えばA様の場合 「時刻」に関する問い合わせは、常に呼量が多い。そのような恒常的に多いカテゴリの呼量を全体的にダウンさせる施策の有効性を探る。②次にピークの調査。運賃改正や、アクシデントによる遅延、運休等なんらかの理由により爆発的にコール数が激増する瞬間を予測し、予 め対策を立てておくことが必要だ。③そしてA様から提供された顧客対応履歴をもとに、どのような属性(年齢、性別、職業等)の人が、どのタイミングで、どのような内容で架電しているかを分析、これをもとに、いつ、どのような属性の人たちに、どのチャネルで、どのような情報を発信すれば良いのかの対策を立てることが可能だ。発生原因を探り、根本的にサービスや資料、WEB、FAQの内容、説明を分かりやすく改善するなどで発生原因を撲滅する。WEB やFAQへの誘導をコンタクトセンターオペレーションに含む場合は、オペレーターの評価やセンター全体のKPIの見直しも欠かせない。IVRや SNSの有効活用、検索キーワードの見直しなどで自己解決を促進するということも有効だ。

このように判断の基準となる報告書を作成し、最終的には削減ミッションを継続させるオペレーションチームの提案も、アウトソーシング事業をもつ当社なら可能である。

■ 各業務分類の単位で以下のような分析を進め、削減のための道筋を描く
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