infinity

infinity(インフィニティVol7)

Vol.7 2014年12月18日発行

目次:

  1. KEY NOTE: ICT活用による次世代型社会システムの構築へ~これからの公共政策・公共事業を支えるICT~
  2. MANAGEMENT VIEW:コールセンター業務の難易度は高まっている
  3. FOCUS PROJECT:日本初の試み、近畿大学のハイブリッド・クラウドシステム構築に参画、AWS導入のメリットと広がる可能性を最大限に支援!
  4. RECOMMENDATION:「ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問?穴からのぞく大学講義」大阪大学ショセキカプロジェクト(著、編集)

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【KEY NOTE】
ICT活用による次世代型社会システムの構築へ~これからの公共政策・公共事業を支えるICT ~

自然災害が頻発し、地方経済に課題を抱える現在の日本社会
次世代型の社会システムに必要な要素は何か


2011年3月11日に東日本大震災が発生し、4年の月日が経とうとしている。振り返れば、今年2014年も多くの災害が発生した一年であった。主なものを挙げると、2月には全国的な豪雪があり、7月上旬からは大型台風8号、11号、12号が襲った。8月には、広島市で豪雨による土砂災害が発生し、9月には御嶽山噴火。11月には長野県北部で地震が発生、時期を同じくして熊本県阿蘇山ではマグマ噴火が起こり、活発な噴火活動は現在も続いているという。

このような度重なる災害の中で「国土強靭化」や「レジリエンス」という言葉を度々耳にするようになった。これらは、災害への防護という発想によるインフラ整備中心の従来型の防災対策を越え、強さとしなやかさを備えた経済社会システムを平時から構築すること、さらにはその構築に向けた取り組みを継続的に進めることを意味している。こうした取り組みは、地方・地域ごとに異なる事情や状況を十分に考慮する必要があるとともに、平時においても有効性・合理性を有すべきという意味合いから、地域経済への好影響も考慮して議論する必要があると言われている。

そうした文脈から「地方創生」という政策との繋がりもあり、現に、地方創生と国土強靭化の連携推進についても議論が進められている。すなわち、強くしなやかな国民生活の実現として、防災・減災等にとどまらず、まち・ひと・しごとを創生し、活力ある社会システムを構築していこうという流れである。このような議論の中で目を引くのが、「ICT」「ビッグデータ」「IOT」といった言葉が飛び交い、それらを有効に活用し、効率的・合理的に取り組みを進めていく方向性が議論の根底に置かれている点である。

一昔前の災害対策や防災対策、あるいは地域振興や地域活性化においては、ハード面での インフラ整備が中心であった。ハード施策偏重の政策に対して、ソフト面での対策をより重視し、ハード施策とソフト施策を適切に組み合わせるべきという意見はこれまでもあったが、ようやくここに来て、その最適な組み合わせを模索する土壌が整った。すなわち、それが「ICT」「ビッグデータ」「IOT」等を積極的に活用していこうという気運であり、実現可能なレベルとなった技術的進歩という機運である。

3.11以降の電力政策の舵きりにより、電力システム改革が進められている。電力網の多様な機器や家庭の電力メーターを繋ぎ、通信制御機能を活用した次世代型の電力ネットワークの構築が進められているが、これは、先端センサーネットワークと相俟って、公共設備や病院施設の監視・点検、災害危険地域のモニタリングとしての応用活用が進んでいく。また、これまで商用での利活用が中心であったマーケティングテクノロジー等は、地方・地域へのインバウンド観光や地方移住等の促進、地方・地域での戦略的六次産業化の推進に利用されていく。まさに今ICTを活用した、強くしなやかな次世代型社会システムの構築が進められているのである。

当社は現在、末席ながら、こうした領域の議論や実践に参加させていただき、この大きな変革を間近で感じている。強くしなやかな社会、組織、企業、人材が求められる時代に、当社として何ができるのか、しっかりと向き合っていきたい。


【FOCUS PROJECT】
日本初の試み、近畿大学のハイブリッド・クラウドシステム構築に参画、AWS導入のメリットと広がる可能性を最大限に支援!

バーチャレクス・コンサルティングでは、近畿大学の移設プロジェクト支援をきっかけに今後もAWS(アマゾンウェブサービス)構築・導入支援サービスの拡充をさらに推進していく。


AWS(Amazon Web Service)に興味はあるけど、なかなか実際に導入するまでには至っていない...」そんなシステム担当者に朗報だ。

  バーチャレクス・コンサルティングでは、このほど事前のコンサルティングも含めたAWS構築・導入支援サービスを開始したのだ。

本サービスメニュー提供のきっかけとなったのは、ある大手IT企業より依頼された近畿大学データセンターのAWS移設プロジェクト支援である。

近畿大学は、国立情報学研究所が運用している大学・研究機関のための情報通信ネットワーク「SINET4」を経由し、近畿大学データセンターとAWSを直接接続する日本初のハイブリッド・クラウドシステムを構築し、2014年9月から本格運用を開始した。

当社のサービス提供内容は、アキテクチャー設計を含む既設インフラからAWSへの移設支援、移設作業、AWSに移設する範囲のネットワークの設定、および移設後の保守・運用であった。そして当社在籍のAWS認定ソリューションアーキテクトのもとAWSのメリットを活かし、①夜間稼働率の低いサーバを自動的に縮小もしくは停止し、コストを削減する、②システム障害を検知して、サーバ切替(自動フェールオーバー)するなど複雑な操作を可能にする、③AWSの特長であるスナップショット機能を活用した自動バックアップ、世代管理等のAWS標準機能のみでは不可能な運用自動化システムの構築を行った。

現在、当社では主力製品であるコールセンターCRM「inspirX(インスピーリ)」をAWSに展開したクラウド版の提供や、AWS認定ソリューションアーキテクトの増員を目指し、エンジニアへの社内技術トレーニングなどもより充実させていく。

当社では今後もワールドワイドに利用することができ、時間単位の課金、必要に応じた オートスケーリングなど、さまざまメリットを持つAWSの構築・導入支援サービスのさらなる拡充を目指している。

■ バーチャレクス・コンサルティング AWS構築・導入支援サービスメニュー
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