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Vol.11 2015年12月11日発行

目次:

  1. KEY NOTE: CRM x.0としてのコンテキスト・テクノロジー~ユーザたる消費者や顧客への最適解の追究~
  2. MANAGEMENT VIEW:急げ、顧客接点の国際化
  3. FOCUS PROJECT:保険代理店であるニッセンライフ様の全社的な顧客情報基盤を、弊社の自社CRMソフト「inspirX(インスピーリ)」を用いて構築支援!
  4. RECOMMENDATION:『進化しすぎた脳̶中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)』 池谷 裕二 著

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【KEY NOTE】
CRM x.0としてのコンテキスト・テクノロジー~ユーザたる消費者や顧客への最適解の追究~

コンテキスト・テクノロジーが切り拓く新たな世界
それはCRM x.0の世界に他ならない


2015年を振り返ってみると「コンテキスト・テクノロジー」や「コンテキスト・コンピューティング」という言葉が広く浸透し、よく見聞きするようになった一年だった。「コンテキスト」という単語は「文脈」と訳されることが多いが、前後の事情、状況、背景といった意味を有している。すなわち、ユーザの前後の事情や状況、背景等を踏まえ、そのユーザが無意識に望んでいるものも含め、必要とされる情報やサービスを的確に予測し、手助けする、そういう一連の情報技術や情報サービスが「コンテキスト・テクノロジー」や「コンテキスト・コンピューティング」だ。しかし、その説明の字面を見ると、今から数十年前に目指したコンセプトと大きく異なるわけではない。CRMもOne to Oneマーケティングも目指してきたところは同じと言っていい。あの頃とは何が異なるのだろうか。どこが変わった のだろうか。

まず、改めて言うまでもなく、コンセプトレベルだったものが、実際に現実化しつつあるという点は、かつてとは大きく異なる。モバイル、ソーシャルメディア、ビッグデータ、IoT(センサー)、位置情報といったものの利活用が進み、これまでコンセプトに留まっていたものが着実に実現されつつある。さらに言えば、かつてのコンセプトやそこからの想像を現実が越えているようなケースもある。書籍などの中には、かなり先進的な世界観を提示していたものもあるため、一概に現実が越えてしまったと断言することは難しいが、一般的に見れば、2つの点で、かつてのコンセプトや想像を越えつつあると言える。

1つは、コンピュータシステムの自律性である。かつては、受け身の機械としてのコン ピュータシステムが前提にあったが、機械学習の手法が高度化し、信頼性が高められたこと により、コンピュータシステムに任せる、委ねる、従うようになっている。コンピュータシステムが自ら考え、判断し、能動的にサービスを組み立てて提供するというさまは、少し未来の話として置かれていたことだが、すでに現実のものとなっている。

もう1つはシステムサービスの連動性である。かつては、単独の企業、事業、サービスとしてユーザを満足させることが主に語られていたが、データの共有や連携が進み、各サービスの乗り合いとなっているため、サービスが連動性を帯び、ユーザはサービスを適切なタイミングで連続的に享受できるようになっている。予測された帰宅時刻に合わせて室温が調整され、風呂が準備され、玄関口では自動的に開錠、気分に合った音楽が出迎えてくれる。こういったことが現実になりつつある。

このように「コンテキスト・テクノロジー」や「コ ンテキスト・コンピューティング」には新たな側面があり、かつてのコンセプトやそこからの想像を越える変化があるものの、これらはやはりCRMの延長線上にあり、CRM x.0であると我々は捉えている。ユーザたる消費者や顧客への最適解を追究するという、我々がこれまで培い、目指してきたところが発展的に広がっている。2016年も、次のCRM x.0の実現に向けて、様々な企業の方々とともに全力で突き進んでいきたい。


【FOCUS PROJECT】
保険代理店であるニッセンライフ様の全社的な顧客情報基盤を、弊社の自社CRMソフト「inspirX(インスピーリ)」を用いて構築支援!

コンタクトセンターでのインバウンド/アウトバウンド両業務はもちろん、全社で包括的に利用可能な顧客情報基盤の構築を実現し、業務効率化とLTV(Life Time Value / 顧客生涯価値)の向上を目指す!


株式会社ニッセンライフ様(以下ニッセンライフ様)では、インバウンド/アウトバウンド両業務、そして全社的な顧客情報を一元管理し、業務効率化やLTV向上を目的としたシステムの構築を模索されていた。RFPをもとに数社から提案を受けたのち、最終的にCRMやコンタクトセンター業務への深い理解と経験値、システムの拡張性を見込まれ、当社提供の顧客対応業務支援(CRM)ソフト「inspirX(以下インスピーリ)」を選択。コンタクトセンターはもちろん、全社で包括的に利用できる顧客情報基盤の構築を実現された。

インバウンド業務では電話、WEB、そしてハガキから申し込まれる保険相談、資料請求 の受付等を行う。アウトバンド業務では、通販で日本最大と言われるニッセンのデータベースを活用し、対面・非対面での保険の提案活動を行い、顧客からの要望に応じて保険コンサルタント派遣のアポ取りを行う。インスピーリで顧客情報基盤が構築されたことにより、それまでは業務ごとにバラバラに管理されていた顧客情報が、一元的に共有・活用できるようになった。

全社的に利用することで、部署ごとの管理方法が統一され、業務効率化が実現された。 WEBサイトとのAPI連携など外部システム連携で機会損失も削減。特にアウトバウンド業務では顧客情報に基づいたアウトバウンドリストの作成が容易になり、キャンペーン機能でプロモーションの進捗を管理することで、KPIが全て把握でき、導入効果が顕著に現れたようである。

保険は家族ぐるみで検討されるという特性があり、各顧客の家族単位での情報管理も欠かせない。また昨今の保険商品の動きは早く、保険代理店が商品アップデイト情報もスムーズにお知らせできるような体制構築にもインスピーリが貢献している。

保険は売りきって終わりという商材ではない。だからこそ、お客様とは末永く良好な関係を築きたい。LTVを向上させるということが全社的な目標--そんなニッセンライフ様の思いを、当社は今後も支え続けていく。

■ ニッセンライフ様のCRMシステムイメージ
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