ケーススタディコールセンターITソリューション

CRMの刷新によりコンタクトセンターの応対品質向上、業務標準化を推進

コンタクトセンターは今や企業の「顔」であり、さまざまな問い合わせに対して精緻な回答を提供できる体制は、顧客満足度や信用力の向上につながる。一般的にコンタクトセンターの構築には、顧客情報を蓄積・整理・分析するCRMが用いられており、CRMが持つ機能がコンタクトセンターの業務品質を左右することも珍しくない。今回は、住宅関連機器大手の株式会社 LIXIL様の事例から、バーチャレクスのCRM「inspirX(インスピーリ)」の導入効果などを紹介する。


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導入企業 会社概要
会社名:株式会社LIXIL様
創 立:1949年年9月
本 社: 東京都品川区
業 種:建築材料・住宅設備機器の開発・提供

導入サービス・製品
顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ)
導入部署 / 規模
お客様相談センター(数百席規模)
適用業務
修理受付や製品、サービスに対する問い合わせなどコンタクトセンター業務全般
システム改築前の改善要望
・お客様相談センターで使用している応対履歴管理システムの保守期間終了に合わせて、機能面を拡充したい
・ハード、ソフト両面の老朽化を解決し、障害対応を含めた運用面での可用性を向上させたい
・応対管理だけではなく、今後の窓口のあり方を踏まえた要件を取り入れ、今後10年は使用できるシステムを構築したい など
導入後の効果
・問い合わせ内容を分析し、inspirXに投入することで、応対品質の向上が確認された。
・わかりやすいUIによりオペレーター毎の履歴情報入力のバラつきが削減された
・対応履歴が精緻化されたことによってデータ分析やみえる化が進み、業務運営における傾向や対策を把握しやすくなった


システム構築の背景と狙い

老朽化対策と多様化するニーズへの対応のため機能拡充が必須

株式会社LIXIL様では、トイレやキッチン、浴室、化粧室といった設備の提供を手掛けてきた。こうした製品に対する問い合わせ・相談窓口としてコンタクトセンターを設置していたが、システムがハード・ソフトともに老朽化しており、リプレースを検討していたとのこと。

具体的には、キッチンやトイレなど自社製品に対する問い合わせに対し、より柔軟かつ精緻に回答するための仕組みが必要とされていた。

旧システムはオンプレミス型であり、すでに導入から10年以上が経過している。徐々に老朽化が露呈しているうえに、機能の不足からコンタクトセンターの要求に対応しきれない状況が続いていた。

こうした課題の背景には、ニーズの多様化がある。住宅関連業界は、新築住宅の着工数が今後10年以内に年間60万戸を切る可能性が示唆される中、顧客ニーズの多様化にどれだけ対応できるかがひとつの焦点になっている。例えば、新築だけではなくリフォームにも柔軟に対応したり、キッチンをはじめとした水回りは施主の希望を詳細に採り入れたりと、これまで以上に柔軟な対応が求められる。また、これらはメーカーではなくエンドユーザーが相手方となる。つまり、ビジネスモデル自体が既存のBtoBから、BtoCやBtoBtoCへ移行すると予想されるのだ。

LIXIL様では、業界全体がBtoCやBtoBtoCに近づいていく中で、成長を続けるためにはエンドユーザーから寄せられる情報をいかに資産化していくかがカギを握ると考えているそうだ。さらに、顧客に対して良質な体験の提供を続け、「LIXILだからこそ買いたい」と感じていただけるような仕組み作りも進めたいとのこと。

今回のCRM導入はこうした試みの最初の一歩でもある。今回、導入対象となったお客様相談センターは、もともとエンドユーザーからの問い合わせ対応がメインであり、BtoCに近い部門だ。一方で、BtoBに属する顧客からの問い合わせも行うことがあり、さまざまな内容の問い合わせに対して精緻かつ迅速に回答することが求められる。


導入後の効果について

問い合わせ対応の精度が改善され、業務の標準化が進んだ

LIXIL様では、コンタクトセンターの一部にバーチャレクスのCRMパッケージ「inspirX」を導入。導入後は、「柔軟性」「自由度」「拡張性の高さ」の3点が評価されている。
また、定量的な効果が確認された点としては、「応対時の正答率向上」が挙げられる。

LIXIL様では、旧システム運用時から相談センターで取得した問い合わせ内容を蓄積し、テキストマイニングで分析していたとのこと。分析結果は各事業部に共有し、製品ごとに問い合わせ内容の数や傾向を周知して、問い合わせへの回答や製品開発などに活かす試みも実施している。

ところが、旧システムでは履歴入力の精度が低かったこともあり、データの利活用が不十分であった。一方でinspirX導入後は、豊富な支援機能やわかりやすいUIによって顧客対応の品質が上がり、履歴情報入力のバラつきが改善されている。

一般的にIT製品の導入は生産性と品質の2点が評価軸になることが多い。生産性に関しては、「業務効率の向上」や「人件費の削減効果」などが挙げられる。一方、品質に関しては「ミスの削減」「高精度な回答」などが挙げられる。今回のinspirX導入では、主に品質面の効果が大きいと感じているとご評価いただいた。


inspirXを選定した理由

「使い勝手の良さ」「構築体制」など独自の強みが評価される

LIXIL様では、今回のコンタクトセンターシステム更改に際し、外資ベンダーを含めた数社を候補に挙げられていた。その中からバーチャレクスのCRM「inspirX」を選定された理由としては、以下のようなものがあげられる。

・コンタクトセンター専業企業としての強み
要件理解の速度や深さに優れており、機能開発や連携開発の実績が豊富であり、今後継続的なコンタクトセンター強化を続けていく中で最適だと感じた。

・使い勝手の良さ
利用部門からの評価が高く、特に使いやすさの面で評価されていた。また、外部システム連携を含めて「何でもひととおり実現できる」ことも魅力的に感じた。

・構築体制の充実
他社に比べて構築体制についての提案が厚く、体制に関して安心感が得られた。

・コストパフォーマンス
他社に比べてコストパフォーマンスに優れていた。

システム概要

「inspirX (インスピーリ)」は、バーチャレクスが自社のコンタクトセンター運営経験をもとに開発したCRM パッケージソフトウェアである。長年にわたるコールセンター運営とカスタマーサポートの経験から生まれたマルチチャネル(電話、FAX、メール 等)対応の顧客応対管理システムである。また、情報の一覧性と検索性を重視した直観的なインターフェイスも特長のひとつだ。今回は、inspirXをベースに「ポータル画面」「顧客対応支援機能」「バックオフィスマネジメント機能」を実装した。※下記図参照


今後の展望

今後は会員サイトやECサイト窓口の導入も含め顧客体験を向上させていく
今回の事例で紹介したシステムは、2021年10月の本番稼働以来、大きな障害もなく稼働し続けている。現在は、初期リリースで対応できなかった機能について開発が続いており、LIXIL様からご提示いただいた要望に対してバーチャレクス側から提案する形でシステムをアップデートし続けている。

LIXIL様では、今後ECサイトや会員サイトの相談窓口へのinspirX導入も検討しており、継続的に顧客満足度を高めていきたいとのこと。また、ECサイトや会員サイトとの連携・統合を行うことによって、更なる顧客体験(CX)の向上も目指す予定だ。

バーチャレクスでは、コンタクトセンター専業企業としての強みを活かし、引き続きLIXIL様の顧客体験向上に関する施策を支援していく。


inspirXをベースとしたLIXIL様のお客様相談センターシステムイメージ

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inspirX (インスピーリ)詳細はこちら

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