ニュース調査

2019.08.02

【カスタマーサクセスに関する実態調査】「顧客の声」を集められていますか? カスタマーサクセス取り組み企業、 その効果創出を大きく左右するヒントはそこに

~バーチャレクスとアイティクラウドによる実態調査、第四弾結果~


バーチャレクス・コンサルティングは、先だってアイティクラウド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:黒野源太、以下、アイティクラウド)と合同で実施したカスタマーサクセスに関する実態調査につきまして、第一弾第二弾第三弾に引き続き第四弾の結果を取りまとめました。

今回の調査は、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいる部署、または担当者がいる」という人334人を対象に行い、カスタマーサクセスの効果を感じている層・感じていない層における取り組み内容の違いや、取り組み効果に繋げるためのヒントとなるものが何かを探りました。

対象者にカスタマーサクセス取り組みの効果を感じているかを聞いたところ、半数以上が「効果を感じている」と回答、3割の人が「どちらとも言えない」と回答している一方で、効果を感じていない人は約1割強にとどまりました。


①カスタマーサクセスの効果を感じていますか.png

この中の「効果を感じている」層に、カスタマーサクセスの取り組みを始めるにあたっての障壁ではあったが既に解決している課題が何かを聞くと、「何から手をつけたらいいのかわからない(33.1%)」、「進め方や相談する人がいない(23.8%)」、「社内現場の理解が得られない(23.2%)」という項目が上位を占めました。


②今は解決している課題_効果あり.png

「効果を感じていない」、「どちらとも言えない」と回答した層に同じ質問をしたところ、先ほどと同様「何から手をつけたらいいのかわからない(11.1%)」が一番多かったものの、全体として「今は解決している」と回答した人が各項目ほぼ10%以下と、圧倒的に少ないことが顕著に表れました。

③今は解決している課題_効果なし&どちらでもない.png

取り組み内容やその進め方、組織体制、運用に必要な数値やアクションの定義など、課題のタイプは様々ですが、「カスタマーサクセスの効果を感じている」層は多くの課題をクリアできていることがわかります。これらの中でも、「ヘルススコアの設定項目がわからない」についてはいずれの層において解決率が非常に低い項目となっており、多くのカスタマーサクセス実践企業がまさに取り組み真っただ中の課題であることが窺えます。

「ヘルススコア」とは、その名の通り顧客の「健康状態」をはかる数値で、顧客が製品やサービスを使い続けてくれるかどうかを把握するための指標です。ヘルススコア運用にあたって、当然のことながら「どういう状態が健康か」をあらかじめ定義する必要があり、その項目と数値の設定が必須となります。

そこで、対象者の勤務先で採用されているヘルススコア各項目の重要度合いについて尋ねたところ、「効果を感じている」層は挙げられた全ての項目について重要だと感じている傾向が強く、対して「効果を感じていない/どちらとも言えない」層が感じる各項目の重要度は、「効果を感じている」層のほぼ半数という結果になりました。このことから、ヘルススコア項目の設計と運用がカスタマーサクセスの成功にとって、非常に重要なファクターであることがわかります。

④ヘルススコア各指標の重要度合いについて_効果あり.png

⑤ヘルススコア各指標の重要度合いについて_効果なし&どちらでもない.png


これらの項目の中で、自社内だけではなかなか取り組みが難しい「顧客の声」収集について聞いてみると、カスタマーサクセスの効果を感じている層において、収集の仕方に課題や悩みが多く上がっている状況に対し、カスタマーサクセスの効果を感じていない/どちらとも言えない層においては半数近くが「特にお客様の声は集めていない」と回答しており、取り組みそのものの差が大きく表れる結果となりました。

⑥顧客の声収集に関する課題や悩み.png


カスタマーサクセスの効果を感じている層の中で、顧客の声収集に取り組んでいる人にその手法を聞いたところ、直接面談やメールなど従来から行われているものについては4割以上、それ以外の手法でも3割以上の人がしっかり取り組んでいると回答しています。これらの手法の中で、しっかりと取り組めている人が一番少なく、また必要と感じつつもやり方がわからない/まだ取り組めていないと答えた割合が一番多かった「ユーザーレビュー」については、取り組み方に課題を持っている企業が多いようです。

"顧客の声"は、カスタマーサクセスを進めていくうえで重要な要素であり、ポジティブな声もネガティブな声も自社製品/サービスの改善・強化に繋がるヒントがたくさん隠されています。これらを正しく、効率的に収集する手法や仕組みの確立は、「すでにカスタマーサクセスの効果を感じている企業」が取り組みを進化させ、更なる効果を生みだすための鍵となりえるのでないでしょうか。なお、本調査をバーチャレクスと共同で行ったアイティクラウドでは、ソフトウェア・クラウドサービスの「ユーザーレビューの収集」を可能にするレビュープラットフォーム、「ITreview」を展開しており、無料で利用を開始することが可能です。アイティクラウドが業務提携をしている、米国のG2.com運営の「G2」には830,600件以上のレビューが掲載されており、ITレビューのリーディングプラットフォームとしての地位を確立、カスタマーサクセス推進の中での大きな役割を担っています。

これまで4回の調査を通して、日本におけるカスタマーサクセスは認知度が低く、着手されていない企業が殆どである、着手されながらも取り組みが進んでいるところと進め切れていない企業の間でのギャップがとても大きい、組織体制や知識が整わない状況でも、少しずつ段階的に取り組みを進めることによって効果を生みだしている企業がある等の実態が浮き彫りとなりました。海外に比べ、日本国内ではカスタマーサクセスの成功事例や、専用のソフトウェアなどがさほど多くなく、またどんな企業にも適用できるハウツー本も存在しないため、各企業が手探りで取り組みを進め、トライアンドエラーを繰り返しながら正解を見つけなければならないのが現状です。

バーチャレクス・アイティクラウド両社では、これからカスタマーサクセスの取り組みを始めていく企業の方たちに向けて、セミナーや勉強会、そのほか情報のご提供ができる場を作り、より多くの企業様が「顧客の成功」に取り組める状況を生みだすお手伝いをしていきたいと考えています。直近では8月5日(月)に開催されるカスタマーサクセスセミナー『「CS is eating the world ?』を、日本最大級のカスタマーサポートコミュニティであるCS HACKとの共同で開催を予定しています。

参考:『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10の原則―』


【調査実施概要】
「カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法  :インターネットアンケート
・調査実施期間:2019年3月20日~2019年3月21日
・対象地域  :全国
・対象者   :20歳から65歳の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)1,000人のうち「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいる部署、または担当者がいる」334人


アイティクラウド株式会社について
アイティクラウドは、IT製品のレビューメディア事業展開を目的とし、SB C&S株式会社とアイティメディア株式会社の合弁会社として2018年4月に設立されました。「IT選びに、革新と確信を」をミッションにかかげ、企業がテクノロジーを活用する上で必要となる"信頼できる声"や"確かな情報"の集まる場である「ITreview」を同年10月に開設。リアルユーザーの製品レビューを収集・掲載することで、IT選定の透明性を高め、迅速で自信に溢れた意思決定のできる世界の実現を目指しています。現在、1,800製品、1万7,000件超の国内レビューを掲載しており、製品選びを行う企業ユーザー、カスタマーサクセスの実現を目指すベンダーユーザーの双方にご利用いただいております。

※本文に記載の社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


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