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東京電力エナジーパートナー様でのマザーセンター構築/運用支援


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全国各地に計数千席規模のコンタクトセンター拠点を持ち、複数のアウトソーサーへの委託のもと運営をされている東京電力エナジーパートナー様。東京電力エナジーパートナー様と共に、弊社が2010年代から提唱してきた「マザーセンター」を構築している事例をご紹介いたします。

【マザーセンターモデルとは?】

クライアント内部に企画機能を有した受電チームを設け、実運用を通じた企画の立案~トライアル~体系化~全体展開を行い、大規模・マルチベンダーで運営をしているセンターを変革に導くモデル

CONTENTS 

全体:受付業務全体の変革を実現するための新組織を共同で設計・立上げ・運営
テーマ①:受電部隊起点での業務改革に向けた企画立案~試行~検証~展開
テーマ②:運営コスト削減と応対品質維持を両立させた形でのセルフサービス化
テーマ③:有人オペレーション支援機能構築・DX化により全体的な課題解決

 

全体:受付業務全体の変革を実現するための新組織を共同で設計・立上げ・運営

新組織の設計フェーズからパートナリングを開始

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東京電力エナジーパートナー様(以下、東電EP様)のパートナーとしての歩みは、2020年度初旬、「マザーセンター」モデルと共通したコンセプトを持つ「CoE※1」という組織を立上げ、コンタクトセンター全体のマネジメント強化やDX推進での変革に繋げたい、それを実現するためのパートナー企業候補としてお声掛けをいただき、ご選定いただいたことに遡ります。

当初は、コンセプトや実現したいことの輪郭はあるものの、それを形作るための方法・必要な体制・機能など、実現のために必要な要素が十分には揃っていない状況でした。

東電EP様と共に新組織を立上げ・共同で運営

弊社メンバーの参画以降、東電EP様と共に「どのようなミッションを持った組織を作るか」「いつまでにどのような工程で作り上げるか」「新組織の分掌を既存組織とどう分けるか」など計画の具体化を進め、2021年度に、東電EP様の正式な組織としてCoEの機能を有した新組織の立上げを完了させ、以降、現在に至るまで、様々な領域に施策の幅を拡げて運営しております。

その運営の中では、中長期計画の策定から施策の推進、あたっての施策の外部説明や他部門やベンダー社との連携/折衝などまで、東電EP様の社員の方々と一体化した形で各種業務に対応させていただいているような状況です。

テーマ①:受電部隊起点での業務改革に向けた企画立案~試行~検証~展開

1mothercenter.png東電EP様直属の受電部隊の設置

マザーセンターの要となる要素として「クライアント直属で少数精鋭のオペレーションチーム※2を有すことにより、様々な企画をスピーディーに立案~試行~検証をし、大規模センターへの全体展開、効果創出に繋げる」というものがあります。

これを実現すべく、実際の受電を行える「オペレーションチーム」を新組織内に用意、業務改革の観点と現場運用の観点を兼ね備えた実効性と実現性のある企画を動かすことができております。

「コスト最適化」 「品質向上」 「販売力強化」の実現に向けた各種運用改善施策の推進

オペレーションチーム起点の施策例として、ベストプラクティスの整理および展開、オペレーターのパフォーマンス標準化/底上げを図るための全体標準の研修カリキュラム/マニュアル/運用手順書の策定および展開、ベンダーマネジメント強化のためのオペレーションチームのパフォーマンスを基準としたベンチマークの設定および展開、ABテストで販売力強化の効果を実証したトークスクリプト改善および展開、運用変更があった際の新オペレーション試行および展開などが挙げられます。

中々前に進めることが難しい業務改善施策群ではありますが、現場知識を持つ直属の受電部隊がいてこそ円滑に施策を進められているものと考えております。

テーマ②:運営コスト削減と応対品質維持を両立させた形でのセルフサービス化

専属の運用チームによるセルフサービスチャネルの開発と育成2selfservice.png

東電EP様の重要テーマの一つに、「応対品質を担保しながら、如何に効率よく応対を完結させるか」というテーマがあり、打ち手の一つとして、積極的なボイスボット/チャットボットでのセルフサービス化を進めております。

ボイスボットやチャットボットなどチャネル毎に専属の運用チームを配置し、セルフサービス化にマッチした業務の選定~シナリオ構築~リリース、リリース後も継続的に改善点の洗い出しと改善作業のサイクルを回し、スピーディーなセルフサービスの開発と育成を実現しています。

企業側の論理にとらわれず応対品質も意識したチャネル配置とボットのUX性能向上取り組み

ただし、ボイスボットやチャットボットが対応する範囲をやみくもに増やせば良いということではなく、チャネルそれぞれを適材適所で配置することも必要。例えば、手続き関連の問い合わせは聴取項目が多いためWEBやチャットを優先する、日々の生活の中で生まれる問い合わせはLINEのルートを用意しておくなど、チャネル毎の特性を活かした配置で各チャネルを展開し、お客さまにとっても手間なく分かりやすく利用しやすいサービスになることを意識し、セルフサービス化を進めております。

また、ボイスボットの発話の自然さやチャットボットのレスポンスやチャットテキストの一覧性など、作り手が後回しにしがちなUXの課題にも随時対応していることにより、作ったサービスの価値を更に向上させることが出来ていると考えております。

テーマ③:有人オペレーション支援機能構築・DX化により全体的な課題解決

3contactcenterDX.png残る有人オペレーションへも支援機能構築・DX化で対応

お客さまのニーズに対し柔軟な対応を要するシーンや確実な回答が求められるシーン・複雑な業務などで有人オペレーションは今も不可欠。

東電EP様は「残る有人オペレーションを如何に効率化出来るか」への取り組みも実施、一部定型的な内容の聴取や代替案内をボイスボットで行い、その後に人が応対するという仕組みの構築、自動でのお客様契約検索/表示、不備のある通話の自動検知などでオペレータを支援するなど、高度化されたオペレーションを実現※3しています。

お客さま・オペレータの双方にメリットのあるコンタクトセンターの実現に向けた継続的なDX化の取り組み

加えて、上記のような機能を導入して終わりではなく、効果を最大化するための改善運用にも継続的に取り組んでいます。

ボイスボットで一部定型的な内容の聴取をするにしても一部ルートは早期に人の応対に移行する調整などを行ったり、特定をした契約情報を基に基幹システムからの情報を検索するためのアプリケーションを追加開発したり、ボットから連携される情報をオペレータが瞬時に把握できるよう情報項目を整理したり、オペレータが支援機能を活用しきれていないのであればその活用方法を具体化して展開するなど、継続的な改善をサイクル化して進めており、お客さま・オペレータ双方の視点に立って、真に使っていただける機能の提供を目指して、日々の活動を行っております。

※1 CoE:Center or Excellenceの略で、マザーセンターモデルと同様に、自社に企画機能を有した受電チームを設け、実運用を通じた企画の立案~トライアル~体系化~全体展開を行い、大規模・マルチベンダーで運営をしているセンターのオペレーションを変革するセンター
※2 オペレーションチーム:CoEの根幹となる受電チーム、新規企画立案実行機能、ナレッジ/ノウハウの手の内化機能、ベンチマーク機能、トライアル機能を有す
※3 現在、オンプレミス環境とクラウド環境の双方で受電業務を運用しており、クラウド環境側であらゆる取り組みを行っている

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