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2026.07.29

【2026年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査(8)】効果体感率が最も高い「全社一元管理」 完璧な体制を待たず、スモールスタートから全社展開へ

バーチャレクスはこの度、「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施し、2026年版第八弾の結果を取りまとめました。

前回の第七弾では、フェーズ移行によってカスタマーサクセスが直面する障壁の変化について明らかにしました。今回の第八弾では、各施策で効果を体感していると回答した人の割合である効果体感率各施策の取り組み体制との関係に焦点を当てています。分析の結果、全社共通の仕組み(一元管理)で取り組む施策の平均効果体感率が最も高い一方、各施策に未着手の場合と比べ、個人・部門単位で取り組む施策でも高い効果体感率がみられました。

第八弾のハイライト

全社共通の仕組み(一元管理)で効果体感率の差が大きい施策トップ5

顧客の成功支援や離脱防止といったカスタマーサクセスの主要業務では、全社共通の仕組み(一元管理)で取り組んだ場合の効果体感率は77.3%~79.7%となり、個人裁量との差は17.0pt21.8ptとなりました。

AIを用いた顧客の声(VoC)分析は部門単位でも高い効果体感率

AIやITツールを用いたVoCのテキスト分析は、部門・チーム単位での効果体感率が73.4%で、全社共通の仕組みとの差は4.1ptにとどまりました。

外部活用は施策により効果体感に差

顧客生涯価値(LTV)の算出・管理では、外部活用の効果体感率が61.2%で、個人裁量の57.7%を上回りました。一方、顧客ニーズに合わせた自社商品のラインナップ見直しでは、外部活用の効果体感率は47.9%で、個人裁量の60.3%を12.4pt下回りました。

未着手のままにしないことが第一歩 基礎的な取り組みでも効果体感率に差

顧客との関係性の可視化・データ化では、個人の裁量・判断で取り組む場合の効果体感率は65.1%で、未着手の場合の33.3%を31.8pt上回りました。全社的な体制の整備を目指しつつ、各施策にまず取り組み始めることの重要性が示されています。

未着手から個人・部門・全社へ 効果体感率が高まる傾向

全体の平均効果体感率は、未着手24.1%、個人裁量56.2%、部門61.5%、全社共通70.7%となりました。未着手、個人、部門、全社の順に平均効果体感率が高くなっています。外部活用は54.6%であり、施策ごとに適性を見極める必要があります。

組織的な仕組み化・一元管理で取り組む施策は効果体感率が最も高い

まず、自社でカスタマーサクセスに取り組んでいる794に対して、18項目の個別施策についてどのような体制で運用しているかを聞きました。全18施策の平均効果体感率を体制別に比較すると、全社共通の仕組み(一元管理)70.7で最も高く、未着手、個人、部門、全社の順に24.1%、56.2%、61.5%、70.7となりました。外部活用54.6 であり、施策ごとの適性に応じた補完手段として検討する必要があります。

2026#8_01_管理体制別カスタマーサクセス取り組みの平均効果体感率.png

■ 全社共通の仕組み(一元管理)で効果体感率の差が大きい施策トップ5

全社共通の仕組み(一元管理)と個人裁量との効果体感率の差が大きかった上位5施策は、以下のとおりです。

  1. 自社製品・サービスを通じた顧客の成功の支援(全社共通79.7%/個人裁量57.9%(差:+21.8pt
  2. 顧客の離脱防止策の構築、および離脱理由の把握(全社共通77.3%/個人裁量56.3%(差:+21.0pt
  3. 顧客データを活用した既存顧客の維持活動(全社共通78.0%/個人裁量58.2%(差:+19.8pt
  4. 顧客の収益・利益を最大化するためのコンサルティング的な支援(全社共通79.3%/個人裁量60.6%(差:+18.7pt))
  5. AIやITツールを用いたVoCのテキスト分析(全社共通77.5%/個人裁量60.5%(差:+17.0pt))

これらは顧客の成功支援や離脱防止といった、カスタマーサクセスにおけるコアミッションとも言える重要な業務です。これらの施策では、全社共通の仕組み(一元管理)で取り組む場合、効果体感率が77.3%~79.7%となり、個人裁量を17.0pt21.8pt上回りました。

2026#8_02_管理体制別カスタマーサクセス取り組みの効果体感率(全社vs個人).png

■ 現実的な一歩:部門単位からの「スモールスタート」

一方で、いきなり巨大な全社共通の体制を構築するのが困難な場合、どこから手をつけるべきでしょうか。部門やチーム単位の判断・ルールで取り組む施策のデータに、その現実的な解決策が隠されています。特に注目すべきは、AIITツールを用いたVoCのテキスト分析です。この施策は部門・チーム単位での効果体感率が73.4%となっており、全社共通の仕組みとの差は4.1ptにとどまりました。

2026#8_03_管理体制別カスタマーサクセス取り組みの効果体感率(全社vs部門).png

■ 代替案の明暗:外部の専門家の活用(任せていい領域と不向きな領域)

自社にノウハウがない場合、外部の専門家や代行業者の活用も選択肢となりますが、施策によっては個人裁量を上回り、別の施策では下回るなど、効果に明暗が分かれます。顧客の離脱防止策の構築、および離脱理由の把握(差:+11.2ptと、顧客一人/社あたりのLTVの算出・管理(差:+3.5ptでは、外部活用の効果体感率が個人裁量を上回る効果体感率となりました。一方、顧客ニーズに合わせた自社商品のラインナップ見直しでは、外部活用の効果体感率は47.9で、個人裁量の60.3%を12.4pt下回りました。この結果は、顧客理解や社内ノウハウの蓄積が求められる施策では、外部活用の役割を慎重に設計する必要があることを示唆しています。

2026#8_04_管理体制別カスタマーサクセス取り組みの効果体感率(外部活用vs個人裁量).png

■ 未着手のままにしないことが第一歩:個人の裁量でも効果体感率に差

組織的な体制が整っていない場合でも、担当者個人の裁量・判断で取り組む施策の平均効果体感率は、未着手の場合を上回りました。特に顧客との関係性の可視化・データ化(CRM等の活用)は、個人の裁量・判断で取り組む場合の効果体感率は65.1で、未着手の場合の33.3%を31.8pt上回りました。完璧な体制を待って足踏みをしてしまうくらいなら、個人の裁量であっても各施策にまず取り組み始めることが重要です。

2026#8_05_管理体制別カスタマーサクセス取り組みの効果体感率(個人裁量vs未着手).png

■ 第八弾まとめ:各施策を未着手のままにしないことが重要 

ここまでの結果を踏まえ、全18施策の平均効果体感率を体制別に改めて整理すると、以下のとおりです。

  • 未着手:24.10%
  • 担当者個人の裁量・判断:56.20% (未着手から+32.10pt
  • 部門やチーム単位の判断・ルール:61.50% (個人裁量から+5.30pt
  • 全社共通の仕組み(一元管理):70.70% (部門から+9.20pt
  • 外部の専門家や代行業者を活用: 54.60%(施策に応じた補完手段)

この結果は、カスタマーサクセスの効果体感率が、施策に着手しているかどうかに加え、どの単位で運用し、知見やデータを共有できているかとも関係していることを示しています。特に、複数部門の連携やデータの蓄積・活用が求められる施策では、全社共通の仕組み(一元管理)で取り組む場合に高い効果体感率が見られました。

 一方で、すべての施策を最初から全社一元化する必要はありません。全社的な体制が整うまで取り組みを先送りにするのではなく、まずは個人や部門・チーム単位で着手し、効果や運用上の課題を確かめながら、横展開が必要な施策を全社共通の仕組みへ広げていくことが重要です。

 また、外部活用は一律の解決策ではありません。離脱防止策の構築やLTVの算出・管理では個人裁量を上回った一方、顧客ニーズに合わせた商品ラインナップの見直しでは下回りました。顧客理解や社内に蓄積すべき知見との関係を見極め、施策ごとに補完手段として位置づけることが求められます。

【調査実施概要】
「2026年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」
・調査方法:インターネットアンケート
・調査実施期間:2026年3月12日~2026年3月17日
・対象地域:全国
・対象者:20歳から65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生を除く)794人

※2019年~2026年の調査結果はこちらよりご覧いただけます。

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