【2023年カスタマーサクセスに関する実態調査】カスタマーサクセス取り組む前と後で「売上向上した」56.0%、 事業と顧客に適した施策注力で効果創出
~カスタマ―サクセス実態調査、2023年版第三弾結果~
バーチャレクスは、カスタマーサクセスに関する実態調査を実施しました。第一弾および第二弾(*1)に引き続き、第三弾の結果を取りまとめました。
■第二弾調査結果ハイライト
対象:全国の20歳から65歳の有職者29,237人の中で、カスタマーサクセスを「自身が担当している/社内に取り組んでいる部署、または担当者がおり、自身もかかわっている」と答えた500人
- カスタマーサクセス取り組みについて半数以上の55.2%の人が「効果を感じている」。「効果を感じていない」人は昨年とほぼ同様の1割強
- 担当者人数別でのカスタマーサクセスの効果体感度合いは、担当人数が多いほど大きい傾向、担当者16人以上では72.2%が「効果を感じている」
- 対象500人のうちサブスクリプション型商材取り扱いがある人で約6割、取り扱いがない人でも約4割がカスタマーサクセスの効果を感じている
- 「効果を感じている」人の3割弱は組織体制や上層部/現場の理解が得られないなど、最初のころ課題と感じていた項目をクリアしている
- 反対に「効果を感じていない」人の4割以上が人材・組織体制についての課題を抱えている
■第三弾調査結果概要
- カスタマーサクセスに取り組んでいる企業、取り組んでいない企業それぞれの直近一年の業況
- カスタマーサクセス取り組み企業で効果を感じている層、感じていない/どちらとも言えない層それぞれの業況変化や取組施策の違い 等
カスタマーサクセスの取り組みは企業の数字にも直結
カスタマーサクセスに取り組んでいる、取り組んでいないそれぞれの層に対し、直近一年の新規顧客数および新規売上の推移について尋ねてみると、カスタマーサクセスに取り組んでいる層はいずれも「増加した/上がった」と回答した人が6割を上回りました。反対に取り組んでいない層の約6割は、新規顧客数も新規売上数も「変わらない」という結果になりました。
継続売上についても、カスタマーサクセスに取り組み層のうち57.2%が「増加した/上がった」と答えており、カスタマーサクセスの取り組み効果が事業の業況に表れていることが推察されます。
次に、カスタマーサクセスの取り組みを行っている層に対して「カスタマーサクセスに取り組む前と後」での売上高および利益率の変化を尋ねてみました。売上高については56.0%、利益率については51.8%と、いずれも半数以上が「向上した」と回答しています。
カスタマーサクセス取り組みについて効果を感じている層、感じていない/どちらとも言えない層それぞれに、取り組み前後での売り上げ変化について尋ねたところ、効果を感じている人の77.2%が「売り上げが向上したと感じる」と回答しました。効果を感じていない人/どちらとも言えない人では45.1%の人が「あまり変化は感じない/わからない」と回答しています。
また利益率の推移については、効果を感じている層の70.7%が利益率の向上を体感していますが、こちらも効果を感じていない/どちらとも言えない層の45.1%は、利益率の変化を感じていないようです。カスタマーサクセスの取り組み効果を体感している7割以上の人は、売り上げや利益率などの数値も上がっていることが実感できていることがわかります。
自社に適した施策を強化することで成果につながる
次に、直近一年で顧客に対して新たに始めた/強化した取り組みについて聞いてみたところ、効果を感じている人の63.8%が「メール/チャット等でのサポート情報提供」、次いで、58.7%の人が「ブログ記事やホワイトペーパー等のオウンドメディア上でのコンテンツ提供」など、"テックタッチ"の強化が垣間見える結果となりました。前年もその傾向がありましたが、今年はさらに取り組む人の割合が増加しています。今年に関していえば「ChatGPT」が注目を集め、チャットボットやFAQの提供が進んだ企業もあったのではないでしょうか。下記のグラフからは、カスタマーサクセスの効果を感じている層、感じていない/どちらとも言えない層では施策の取り組み度合いに大きく差があることがわかります。
また、カスタマーサクセスの効果を感じている人のほとんどがこれら新たな取り組みを始めたり、取り組みの強化行ったりすることで「期待していた効果が得られた」と回答しています。すべての施策がすべての企業に効果をもたらすわけでは当然ありませんが、自社の商材とユーザーの性質に合わせたコンテンツ発信やサポート体制を効果的に行うことで、効果に繋げられると考えられます。
カスタマーサクセスのツールは必ずしも必要とは限らない?
カスタマ―サクセスに取り組む人の課題として必ず挙がってくる課題のひとつが「どのツールを選べばよいのかわからない」ということ。対象者にテクノロジーツールの利用状況を尋ねたところ、効果を感じている層で一番多かったのは顧客情報管理ツールで41.7%、それに対して感じていない/どちらとも言えない人の約6割がテクノロジーツールを特に利用していないことがわかりました。効果を生み出すためには一見ツールが必須のようにも見えますが、「効果を感じている層」においても各ツールの利用率は約1割から2割とさほど多くないので、実態としては必ずしもカスタマーサクセスツールがないと効果が創出できない、というわけでもなさそうです。
今年の調査においても、昨年同様カスタマーサクセスの取り組み効果を感じている人は「売り上げが向上している」と答えた人の割合が大きかったのに対し、効果を感じていない/どちらとも言えない人の半数近くは「売り上げが横ばい状態」という結果となりました。効果創出の差はどこで生まれるのか、今回は取組施策と利用ツールの違いで検証してみましたが、次回の調査結果では、実際の運用方法や指標などを切り口に分析していきます。
バーチャレクスでは企業様のカスタマーサクセス導入や運用をサポートする様々なサービスを提供しています。
- ワークショップ(経営者様向け/社員様向け等、カスタマーサクセスについての理解促進をサポート)
- コンサルティングサービス(ショット/スポット型でのレビューや戦略立案等)
- テクノロジーサービス(ツールやデータプラットフォームの導入/構築や利活用支援)
- オペレーションサービス(カスタマーサクセスプロセス伴走支援)
また下記サービスを無料でご提供しています。
参考メディア:
10の原則や用語集などカスタマーサクセスのいろはがわかるサイト「カスタマーサクセス for Succession」
『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10の原則―』
(*1)
2023年カスタマーサクセスに関する実態調査第一弾
2023年カスタマーサクセスに関する実態調査第二弾
【調査実施概要】
「2023年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法 :インターネットアンケート
・調査実施期間:2023年3月17日~2023年3月22日
・対象地域 :全国
・対象者 :20歳から 65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生を除く)29,237人